私のファッションとの付き合い方として、タンスやクローゼットを眺めてウンウンと悩むことはほとんどありません。「コレに合わせるのはコレ!」というのが基本決まっています。服が面倒くさいと言うのもあるんですけど、もうね、センスがないんですね。労力を使った分だけダサくなっちゃう。
それでたどり着いた先が、オシャレな着こなしをそのままコピーするという方法。良いな、オシャレだなってコーディネートを集めて、そこから5~6着を厳選して、それを再現します。
雑誌やオシャレな人を思い浮かべながら、こんな可愛い服、キャラじゃないかな。ちょっと背伸びしすぎているかな。肌が出過ぎているかな。そう思って自分向け(だと本人は思っている)にアレンジしていた時よりも、ちょっと勇気を出してそのまま着てみた時の方がよっぽどオシャレだったんですよね。料理下手な人がアレンジを加えて不味くしちゃう、みたいな。自分にはセンスが無いんだと自覚して「お手本に忠実」がモットーです。
私が学生だった頃に「雑誌をそのままマネする人は真のお洒落じゃない。むしろダサイ」みたいな雰囲気があったんですよ。今思えば『真のお洒落ってなんやねん』って感じなんですけど、若い時ってそういうジャッジに敏感じゃないですか。でも私の場合マネした方がよっぽどオシャレだった。そんな経験しちゃうと”真のお洒落”とかどうでも良くなりました。年を取ったっていうのもあるのかな。
着回しも考えません。だけど別のアイテムと組み合わせることも全然できて。「コレ!」って選んだコーディネートが100点満点ならば、着回しで手に入ったコーディネートは75点くらいかな。でも、着回しするつもりで買った服だって、全部100点満点の着こなしじゃなくないですか。80点の着こなしが3つみたいな。どっちが良いかは好みなんでしょうけど。『自信を持って着れる服を1つくらいは持っている』という事実は、オシャレに苦手意識のある人間にとったらすごく心強いんですよ。
こういう服の選び方をしてからファッションが嫌いだという気持ちがちょっと薄らぎました。着たい服を着ているということも大きいのかなと思うんですけど、必要以上にコンプレックスと向き合う時間が無くなったからかなあとも。
オシャレってコンプレックスとのタイマンじゃないですか。ココが気になる、ソコが気になる、太っている部分を隠したいとか。ちょっとでも服で何とかしようと思うと、嫌ってほど自分のダメなところを見つめるはめに。それってやっぱりしんどかったんだなあって。
目下の心配事は年々参考に出来るものが減ること。今はまだアラサーなので、参考に出来るファッション媒体が多いんですけど。雑誌だけじゃなく、一般の人がコーディネートをネットに上げたりね。でも年齢が上がるにつれてスタイルや生活に自信のある人しか写真をアップしなくなるじゃないですか。そういう選ばれし者がするファッションが自分の好みに合うとも思えませんし。10年経ってアラフォーになった時、参考にできるものを見付けられるか今から不安ですね。
オシャレ好きな人たちが一生懸命考えた着こなしの中から、より良いものをひょいと拾い上げているような美味しいとこ取りの人間なので、何卒、コーディネートを公開するこのブームが終わらないことを祈るばかりです。